のりまきのドイツ生活日記 その11 〜 最終章 〜 10.Sep.'06 |
「わかりました!」と調子よく答えてからどれだけたっただろうか。ATU氏の堪忍袋の緒がよく切れないものだと、彼の我慢強さに感謝。そう、ドイツ日記書いてねコールに、お答えするのがものすごく遅くなってしまいました。ごめんなさい。今年は仕事がとっても暇なので、すぐにでも書けそうなものなのにどうしても後に延ばしてしまう悪い癖。そう、のりまきはさっさと仕事を片付けることが苦手なのです。すみません。いつも謝り続けても直らないこの癖を、少しずつ直していこうと思っています。 さて、このドイツ日記、スタートはとっても順調だったのに遊びほうけているうちに更新を怠り始め、ついには帰国してからの報告となってしまいました。とにかくドイツを知りました。体で感じてきました。最後に、体全体で感じたドイツを報告したいと思います。 1 のりまきお勧めのドイツ観光地 ベスト3!! ドイツといえばロマンティック街道。車で走っていると日本語で「ロマンティック街道」と書いてあります。とにかくどこへ行っても日本人のツアー客に出会うのがここです。ノイシュバンシュタイン城は絶対に見ておくといいなと思うし、ベルリンの壁も歴史を知るためには行くべきだと思う。特に壁博物館は重々しい雰囲気が漂ってきます。バーデンバーデンも男女混浴で有名な温泉ですので恥ずかしくない人はどうぞ。と、キリがないのですが、私の独断と偏見でナイスな場所をお伝えします。 @カッセル Aガルミッシュパルテンキルヒェン Bパッサウ
あまり聞いたことのないところだと思いますが、穴場で美しいところ。私はドイツの大きな緑の木とそこから降り注ぐ太陽の光を見るのが大好きです。スケールが違う。なんだか、ちまちま考えている自分が馬鹿らしくなってきて、元気が出てくるのです。青く澄んだ空を見上げると吸い込まれそうだから、しっかりと自分の足を踏ん張らないといけないなって思うし。ドイツの自然に癒してもらいました。 2 ドイツの生活 当たり前だけどうれしいことベスト3 @ 横断歩道に人がいると車は必ず止まる ドイツでは横断歩道付近に人がいたら車は必ず止まります。人も当たり前のように歩き出しますから、きちんと約束ができているのでしょう。私も運転していて半分急ブレーキになりながらも歩行者を渡らせる癖がつきました。A 次の人のためにドアを開けてくれる なんて紳士淑女なんでしょう!次の人のためにドアを開けて待っていてくれるなんて。自分のことしか考えないんじゃいけないのよね。そして必ずダンケとビッテが(ありがとう・どういたしまして)行きかいます。そうそう、それから必ず男性は女性を先に通してくれるし、電車に乗るときも必ず荷物を持ち上げてくれます。ドイツ人の男性は本当に親切。言葉が通じたら…新しい鯉おっと恋が芽生えていたかも。。。 B 困っている人を見ると黙っていられない 電車に乗るためにチケットを買おうと販売機に行くと、頼んでもいないのに切符の買い方を教えてくれる。「ここに行きたいんだけど」と道を聞くと、親切に分かりやすいところまで一緒についてきてくれる。デブで水着のファスナーが上がらない人を見ると「手伝おうか?」と必ず声をかけてくる。(デブな人はのりまき。ドイツのスポーツクラブで毎回声をかけてもらった。ありがとう…そんなに苦しそうだった とにかくドイツ人はまじめ。堅実。特に北に住むハンブルクの人たちは生真面目。ローマに住む友達(同業者)は、イタリア人のいい加減さをいつも嘆き、癒しを求めてドイツ旅行をしている。暖かい国の人は「何とかなるさ」の精神なのかもしれません。 3 ドイツの教育について 3年ぶりにトムテに戻ってきたら、やたらと小・中学生が増えている。ということは小・中学生を子どもに持つ教育熱心なお母様やお父様方もいらっしゃるということ。ということは外国の教育事情も知っておくと少しは役立つかもしれませんので、ここでちょっと情報を。 @ ドイツ人は10歳で進路が決まる! 小学校4年生終了時点で将来が決まります。どこの学校へ行くのか。大学への道か中学から高校あるいは専門学校等へ行って職業に就くか。もちろん小学生でも基準に達しなければ落第します。容赦はしません。成績が悪いのは学校の責任ではなく家庭の責任と言い切ります。「やるべきことをやっていないあなたが悪いのです」と。 A 学費が無料…だった 大学まで公立学校はすべてタダ。大学もですよ。しかしついに昨年度から大学では授業料をとることになりました(ハンブルク市の場合)。大学への入学資格アビトゥーアに合格すれば、好きな大学に入れます。何を学びたいかで大学を選択するのです。しかし簡単に単位はもらえません。しっかりと研究をした人にのみ卒業の資格が与えられます。お母さん方!!目的のない学習は何の意味もありません。常に何のために学習するのか目的意識をしっかりと持たせることが大切です。
B 討論の得意なドイツ人 ドイツ人は感情的に子どもを叱りません。どんなときにも目を見て子どもが納得するまで諭します。実に論理的に。大人と話しているかのように。自分が何をしたいのか、なぜそう思うのかを子どもに話させるのです。そしてそれがなぜいけないのかをじっくりと理解するまで話します。ドイツ人がカッとして子どもを怒鳴りつける姿は一度も見たことがありません。 だ・か・ら、ドイツ人は討論好き。論理的に話し合いを行うし、自分が何を考えているのかを主張します。日本人の子どもたちに足りないのがこの部分。だって、親が代弁しちゃうから。子どもは考えなくて済んじゃうわけ。授業中も話し合いが上手にできないので鍛えたいと思っていることの一つです。
4 ドイツ人のスキー なるほどベスト3 北ドイツの人たちはあまりアルペンスキーをしません。山らしい山はないけれど、広い広い高原があるのでノルディックスキーを楽しむことが多いようです。ちょっと雪が降ると近くの公園へ行ってスキーを履いて歩いています。のりまきもすぐにノルディックスキーを購入しましたが、まだ一度もはいていません。果たして日本に帰ってしまった今、歩くスキーを楽しむ機会はあるのでしょうか??? @子どもはそりにくくりつけられて、荷物のように運ばれる。 だるまのようになってそりに寝て、おしゃぶりをしゃぶっています。この効率的な荷物の、、、おっと子どもの運び方に感動し、お母さんにお願いして写真を撮らせてもらいました。何が珍しいのだろうと いう顔をされましたが、くくりつけられている子が人形みたいでとってもかわいいのでした!!
Aドイツ人はガツガツ滑らない ヨーロッパのスキー場は距離が長い。ゴンドラで山頂まで行ってから長い時間をかけて滑り降りてくるのだが、一番の目的は日光浴。ドイツ人は冬の間、寒くて暗い日々をいかに明るく楽しく過ごすかを考えています。だからクリスマスに明りをつけて明るくするのです。山は晴天率が高いので、山の上へ行ってちょっとスキーを楽しんで太陽の光を浴びる。大好きなビールを飲みながらのんびりするためにスキー場へ来るのです。 <オイルフォンデュ> Bゲレンデのそばに宿はない 「玄関を出ればゲレンデ!」「お部屋からゲレンデが眺められます」…こんなキャッチフレーズはドイツでは考えられません。山の上にホテルがあるなんて。宿はすべて麓。ですから皆さんスキー板を持ってバスに乗り込みます。バスを降りてからようやくロープウェーにたどり着き、それに乗ってようやくゲレンデに着くことができます。ちなみに「ゲレンデ」はドイツ語です。シュプールとか昔あったウムシュタイク(乗りかえるの意味)なんてのもドイツ語。スキー用語はドイツ語が多い!!
ドイツに限らず、ヨーロッパのスキー場のレンタルスキーは、ニューモデルがそろえてあったり、初級者モデルでも結構きちんと管理されていたりします。レンタル料も比較的安く、たくさんの機種から選ぶことができてなかなかいいです。自分の板を持っている人があまり多くないというのもあるのかもしれません。 5 ドイツの食べ物 ご自慢ベスト3 ドイツといえばビール、ソーセージ、ジャガイモ。この3点セットは欠かせません。本当にどこへ行ってもこの3つの食べ物と出会うことができます。そして自慢するだけあって本当においしいのです。量もはんぱじゃなく多い。おかげでのりまきも大きくなって帰ってきました。 @
ビール Aシュパーゲル(白アスパラ)
秋にはワイマールでたまねぎ祭りが行われます。この時期、どこの家庭でもものすごい量のたまねぎをみじん切りにしてケーキを作ります。ケーキというよりもパンのようなイメージですが、季節の食べ物ですね。そしてこれになくてはならないものがフェダーヴァイザー。ぶどうジュースを発酵させ、ワインになる途中の今まさに発酵している途中、ぶくぶく泡の立っている濁ったジュースのようなワインのような飲み物です。この時期にしか飲めない貴重なワインです。
*番外編 のりまきの大好物 カルトッフェルプッファーとソーセージ クリスマスマーケットに行くと必ず売っています。ジャガイモをすりつぶしてラードで揚げ焼きにしたもののうえに、りんごジャムをのせて食べるのです。カロリー高いけどこれまたおいしい。自宅でも簡単にできますよ。ドイツには「カルトッフェルケラー」というジャガイモ料理専門店があるので、そこでも食べられます。ジャガイモスープとともにこれはいけます。長さ30pのソーセージもナイスです 6 ドイツの生活を終えて 3年前、トムテの胴上げで送り出していただいたことが「スキー」に対する心の支えとなっていたような気がします。毎年、冬になるとヨーロッパの山へ行き、スキーをしてきましたが、大自然と遊んできたといった感じでしょうか。海外にいると現実の世界から遠く引き離されます。仕事もまったく違います。生活もまったく違います。言葉の通じない中で生活することが始めは大変な苦痛でしたが、3年も暮らすとそんなものはどうでもないことに気がつきます。真の国際理解とは何ぞやってのが感じられるわけです。 夢の世界から帰ってまいりました。 これからは、トムテで自分の夢を実現させたいと考えています。また、スキーをしたいと思うだろうか?と不安を持ちながらの帰国でしたが、すぐに会長から連絡をいただき、スキーに対する思いをあらためて考えることができました。 楽しかったドイツでの生活をこれからの生活にしっかりと生かしていきたいと思います。これから、どうぞよろしくお願いいたします。 By のりまき
|